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東京のアトリエ講師のこだわりや、物作りの様子をお知らせします。ファッションの情報やイベント告知も行います。
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薄地 – パタンナーズライフ
タグ別アーカイブ: 薄地
薄地でスカート(トレンド講習から)
こんにちわ K です。
今回の私の更新内容は、先日行ったトレンド講習の内容について
授業内ではさらっとしか触れませんでしたが、薄地でのスカート縫製の工程を書こうかと思います。
今回薄地縫製をするにあたり、色々問題に直面し、それをどう解決に持っていったか?その辺りを詳しく書いていきます。
①裁断
まず、縫製に入る前に生地裁断をするわけですが、
とにかく生地がぐにゃぐにゃ動きます。きっちりパターン通りの裁断が難しいので、
極力生地が動かないように工夫する必要がありました。
裁断にはローリングカッターを使い、生地はパターンの上に置き、針で固定して更に重しを載せ、
裁断前の出来上がりの線に印を入れ、パターンと一緒に裁断致しました…
ノッチはほどけてくるのでチャコで印つけ。基本広い場所を確保して、障害物の無い状態で裁断しないと、何かの拍子でズレたりすると大変なので注意しながら裁断しました。
②縫製(準備)
とにかく薄手を縫う時は、最初の設定から間違ったら大変なことになりますのでしっかり合わせませす。
使う糸番手は80や90番手といったもので、針は9号針、7号針、(これは講義でも言ってましたが…)
では具体的にどういう不備が起きるか?
糸が太いと生地がつれる、針が大きいと同じく生地が引っ張られたあげく
穴が開いたみたいになります。
なので、糸調子は若干糸が浮き上がるぐらいに緩め設定が良いと思われます。
↑(上)11号針・60番手・薄地設定だが糸調子は普通
(下)7号針・90番手・かなりゆるめ設定
このとき、糸の緩み確保のためハトロン紙等を挟んで縫う人がいますが、
私は正直あまりお勧めしません。
なぜなら、薄手生地はミシン目も細かくして縫ったほうがいいのですが、
そうすると、糸と生地の間に紙のカスがたまってそれが取りにくく、時間がかかりますし
地縫い線を引っ張ることによる生地の痛みにつながり、糸調子も悪くなります(片方だけ浮いたり)
定規をあてて裂いたり上手くとる方法もありますが、とにかくめんどくさいです。
(個人的にこう思うだけかもしれませんが…)
それなら糸調子をゆるめに整え、ミシン針を細い号数やニット用ボールポイント針
(普通針より針先形状がなだらか)にして生地に対する抵抗を少なくし、
バッチリあわせて普通に縫えるほうが楽だと思っております。
さらに糸の抵抗もシルク形状糸やレジロンにして、少なくするようにし、生地の負担を軽減していけば相当縫い易くなるはずです。
参考までに今回私は7号針の80番手シルク形状と90番手糸、ミシン目幅2mmぐらいでゆるめの糸調子の設定で縫いました。
③ 縫製 (本縫い)
さて、縫製です。
と、いいましても縫うのは普通生地となんら変わりないです。
脇線→裾→ギャザー→ベルト→ファスナー→合体
という順番、その中でもなかなか苦労したのは裾の三つ折り端ミシンですね。
工程はたいしたこと無いのですが距離があるので大変でした。
この縫い方を綺麗に仕上げるコツは、とにかく横着しないことですね。
しっかり裁ち端を落とし、アイロンも地縫いの後と折り返したときと、工程のたびに入れてました。
基本薄地は生地としての強度があまりないので縫い直しなどがないように慎重に縫う必要があります。
アイロン工程は大事だと思います!
あとはシフォンを挟んで縫うときの工程が少し複雑です。
下スカートは表地と一緒に縫うことが出来ますが、上のスカートはファスナーが付いてから
表地の縫い代に貼り付けるようにして縫うという工程で、シフォンのファスナー止まりは表地から少し離して縫わなければいけませんでした。
表地の縫い代と一緒に挟み込んで縫うこともできないことは無かったのですが、そうなるとシフォンの脇線が表の脇線と固定されてしまうのでやめました。
そうこうしてるうちにシフォンのウエスト部分がほつれてきました!ここは裁断してから裁ち端にほつれ止め貼っておくべきでした…
ちなみに今回はファスナー部分はこのテープにしました。アピコです。
アピコの芯地ってソフトなものが多いですよね。
薄地の場合、透けますのでファスナー伸び止めは共布かオーガンディ挟み込みますが、今回はこのテープで影響なく、それなりに伸びなくなったのでこれにしました。
最後にホックなどつけて完成。今度また薄地縫うときは、もう少し上達していると思います。(笑)