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東京のアトリエ講師のこだわりや、物作りの様子をお知らせします。ファッションの情報やイベント告知も行います。
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部分縫い – パタンナーズライフ
>カテゴリー別アーカイブ: 部分縫い
少し変わった両玉縁ポケット
皆さん、こんにちは
10月期の生徒さんが入学されてから1カ月程が経過しましたが、パターンや縫製の授業はいかがでしょうか
「こんなにmm単位で修正するのかぁ」と思った生徒さんもいるのではないでしょうか(笑)
最初は手引きでの原型作図、シーチングの地直し、トワルのピン打ちなど物凄く細かくて一見地味な作業ですが課題の原型作りは綺麗な服を作る土台となりますので、ココをしっかり身に付けて頂くと今後服を作っていく際の目が養われます
製図する際やピンを打つ手つき、考え方の基礎をしっかり固めて様々な服作りをしていきましょう!
それでは最近見かけたちょっぴり変わった両玉縁ポケットの仕様の紹介を致します!
ハイブランドのパンツで向布を袋布で挟んで裁ち端を始末している仕様がありまました
よく見かける向う布の下端処理の仕様は
①二つ折りしてコバSTで叩きつけ
②中縫いして縫い返し
③裁ち端をロックしてコバSTで叩きつけ
↓ポケットの内側を引っ張り出した写真です
向う布を袋布で挟んで縫うので内側の綺麗に見えるのですが、実際に縫製してみて他にも何かメリットがあるのか確認してみたいと思います(^^)/
↓他にもポケット口に入れる切り込みの解れ防止の為に貼る部分芯の角が丸くカットされていました
部分芯の角を丸くカットする事で芯の剥離を防止する役割りがあるので、恐らくここのブランドもその意図があってこの様な貼り方をしているのかなと推測しています
やはり高価格帯の服は細部まで拘りが詰まっていますね(◎_◎;)
まずはパターンから見ていきましょう!
袋布は向う布を5㎜幅で挟み込み
土台布の裏側の部分芯は
参考にした仕様と同様に角を丸くカットしています
それでは縫製手順を見ていきましょう!
まずはパターンの裁断後、土台布の裏側に部分芯を貼ります
向う布を5mm幅で袋布を挟んだ後、両玉縁ポケット付け位置に付けた印同士を合わせて
土台布裏側と袋布表側を合わせて仮止めします
口布下端の縫代を1cmで折り
袋布とポケット付け位置の印を合わせて中表で縫います
ポケット口12.5cm、5㎜幅玉縁×2の1cm幅で設定したので
2本のステッチ間が1cm、長さが12.5cmになっているかの確認はお忘れなく(^^)/
紙ヤスリ、PPテープなどを使うとステッチが真っすぐ縫えるのでオススメです
口布を2本のステッチの真ん中の位置で切った後、縫代を割り土台布にYの字で切り込みを入れます
割りアイロンした縫代を包んで口布を作る前に、写真の様に裁ち端を1mmカットする事で設定した口布幅を作る事が出来ます
カットせずに包むと生地の厚み分で口布幅が少し太く仕上がってしまいます
口布の形を整えながら裏側に返した状態です
土台布をYの字に切り込んだ時に出来た矢羽根を口布と縫い、
口布下側縫代を縫い止めます
↓途中経過がこの様になっています
口布下端をコバSTで袋布と縫います
土台布を包む様に袋布両端を5㎜幅で縫います
袋布が土台布の裏側になる様に引き出してから袋布の周囲を5mmSTで縫い、
ポケット口に手を入れた時に袋布が開かない様に、土台布は避けて下の写真の3辺を縫います
↓完成です
向こう布を袋布でタックの様に挟んで縫う事で中から見た目が綺麗に仕上がっています
ココからはあくまでも推測ですが実際に縫ってみて向う布裁ち端を袋布で挟んで縫う事のメリットが見た目が綺麗以外に何かあるのか考えてみました(^^)/
↓左:向う布裁ち端を袋布で挟む
右:向う布縫代を1cmで折りコバSTで袋布に叩きつけ
ウールとスレキで縫ってみると右の写真にはパッカリングが起こっている事が分かります
折りコバSTで向う布下端を始末しているので、厚いウール2枚と薄いスレキ1枚の厚みの違いがある生地を重ねて縫う事でスレキ側が縫い縮んでしまっています
それに対して、袋布で向う布を挟んで縫っている方はパッカリングが起こっていません
他にも何かメリットはあるのかもしれませんが気が付いたのは以上の点です
やっぱり実際に縫ってみる事で色々な気付きがありますね
ブログを読んで下さった皆様も自分が持っている洋服で「なんでこんな縫い方なんだろ?」と思った物があったら是非実際に縫ってみて下さい
きっと沢山の発見があるかと思います!
↓今回触れたパッカリングが発生する原因やその他の縫製不良の原因・改善策をまとめた動画がありますので是非ご覧になってみて下さい(^^♪
務歯隠しファスナーポケット
皆さんこんにちは
9月も中盤に差し掛かり段々と過ごしやすい気候になってきましたね!(^^)!
只今汐留の美術館で開催されているポール・ケアホルムというデンマークの家具デザイナーの展示を見に行ってきました!
家具の展示物を見に行くのは初めてだったのですが実用性とデザイン、空間との共生が考えられたディティールが非常に見ていて楽しかったです
これからさらに秋が深まっていくので食や芸術にたくさん触れたいですねぇ(*^▽^*)
それでは今月は務歯隠しのファスナーポケットの仕様について紹介したいと思います(^^)/
アウトドア系の服でよく見かけるディティールですね!
実際に縫ってみたので是非参考にしてみて下さい(^^♪
↓コチラがパターンです
それでは縫製していきましょう!
下ポケットとファスナーを明き止まりのノッチ間縫い合わせます
ファスナー明き止まりに切込みを入れてファスナーを裏に返し、コバステッチを入れます
このファスナー明き止まりに切り込みを入れる工程が後々重要になってきます!
続いては上ポケットと上ポケット見返しを中表で縫い、
表に縫い返しコバステッチを入れます
上の写真の様にコバステッチを重ねて入れ下ポケットと縫い合わせてから
2cmSTを叩きます
ちなみに、上ポケットとファスナーを縫い付ける時のステッチ幅が狭すぎると
ファスナーのスライダーの厚み分で写真の様にボコっと膨らんでしまうので
ココのステッチ幅の設定は要注意です!
土台布に叩きつける前にポケットの外周りを1cmで折り込みます
最初の方の工程で、下ポケットとファスナーを縫い合わせた後に切込みを入れてから縫い返す事で、ポケットの外周を折り込む時に縫代の厚み軽減する事が出来ます
↑最後に外周りをコバステッチで縫ったら完成です
難しい仕様と言うわけではありませんでしたが、やっぱり実際に縫ってみるとパターンの意図を汲み取る事が出来るので、次に同じような仕様のパターンを作る時に応用が効きますね
是非お試し下さい!
袋縫いベンツ②
皆さん、こんにちわ
4月期の生徒さんが入学されてから2週間程経ちました
入学された方は少しずつパターンのラインが丁寧になってきたように感じます
パターンを手引きで作製する際は寸法の確認やトレースする際に線が何重にも重なっているととても見にくいので、常に丁寧なラインを引く事を心がけてみて下さい(^^)/
1mm単位で拘れるようになるとトワルを組む時のシワや、縫製の細かなミスにも気が付ける様になるので製品に劣らないクオリティの服が作れるよ様になります
最初は「また修正かぁ(‘Д’)」と思うかもしれませんが是非細部まで拘って洋服作りをしてみて下さい
5月入学もまだまだ出来ますので、少しでも興味のある方は是非一度見学にお越し下さい!
背中心が袋縫いの時のベンツの仕様紹介の続きです
先月のブログで参考にした古着の解体と、パターンの解説をしていますので
気になった方は3月のパタンナーズライフをご覧になって下さい!
それでは今月は縫製の解説をしていきます(^^♪
裁断のあと後ベンツ見返しを中表で地縫いし表に返します
後ベンツ見返しと右後身頃の持ち出し部分を中表で縫い、縫代をロックした後
見返し側に裏コバSTを入れます
ここの裏コバSTを貫通で入れてしまうと、裾の二つ折りや三つ折りが出来なくなってしまうので間違えない様に気を付けましょう!
続いては右後身頃のベンツ部分を三つ折りで始末し、
CBのラインで二つ折りします
背中心を縫う前が右の写真の様になります
左右の後身頃を背中心からベンツまで外表で縫います
先程L字で縫った箇所の縫代角に切込みを入れてから
中表になる様に縫代を包みます
袋縫いで後ベンツ見返しを避けながら明き止まりまで縫います
最後に表からベンツ押さえSTを入れて完成です!
ほつれやすい生地やカジュアル寄りの一重ジャケットなど縫い目をどうしても袋縫いにしたいけどベンツの仕様をどうしようかとお悩みの方は選択肢の1つに入れてみてはいかがでしょうか
興味のある方は是非一度試してみて下さい(^^♪
袋縫いベンツ①
皆さんこんにちわ
先日の東京ではあらしのような雨風が明け、遂に春の陽気が訪れましたね(^^)/
夜も暖かくなり新橋駅付近の公園では仕事終わりの方たちで活気に溢れています
春は気持ちが良くて好きな季節なのですが、今年から花粉症が発症してしまった様で少し辛抱が必要になりそうです(-_-;)
それでは、自分の持っている古着の一重ジャケットで面白いベンツの仕様があったので紹介致します(^^)/
背中心の縫い目が袋縫いになっていて続きでベンツが縫われています
今回も縫い目を解いてみて仕様がどのようになっているか調べてみたいと思います(^^)/
まずはベンツ押さえSTを解いてみました
ココの部分は背中心からベンツに向かってL字に袋縫いされています
続いては袋縫いのSTを解いてみます(^^)/
背中心からベンツに向かってL字で地縫いし、角に切込みを入れてから縫代を包んでいます
袋縫いは外表に地縫いしてから中表にひっくり返してSTをいれるので、写真の赤丸の部分の様に角に切込みを入れる事で縫代が吊らなくなります( `ー´)ノz
袋縫いの地縫いを解いてみるとこのような感じでした
左身頃の持ち出し端は三つ折りで始末されていて、右身頃には持ち出しにベンツが縫われていると言った仕様でした!
↓パターンはこのような感じでした
それでは次回のブログで縫製の解説をしますのでお楽しみに(^^)/
剣ボロ風?明き①
皆さん、こんにちは
2月に入りましたが東京は大雪警戒警報が発令しています(@_@)
去年の12月は比較的暖かく感じましたが、2月に入ってから雪が降るなんて段々季節がズレてきているような気がしますね(;´Д`)
気持ちの良い小春日和が待ち遠しいです(^^♪
引き続きのお知らせとなりますが、3月3日(日曜日)から4月期入学生徒の募集スタートです!!
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東京校 TEL03-5473-1519
※体験セミナーは東京校のみの開催ですのでご注意下さい!
少しでも興味のある方はお気軽に授業見学にお越し下さい!
今回も袖口明きの面白い仕様があったので紹介します!
一見剣ボロ明きの様に見えますが、良く見ると剣ボロパーツが無く
表から三角にstが縫われているだけです
通常の剣ボロは袖、剣ボロ、下ボロの3パーツで出来ている物が一般的かと思いますが、
今回紹介する仕様は袖パーツのみで構成されています!
更に面白いポイントが、三角で剣ボロの様にstを入れる時にタックを折り込んでいます
アメリカ製の古着のシャツなのですが、初めて見る仕様でした(◎_◎;)
↓結構無理やり縫われているのと年代が古い為状態があまり良くなく、仕様が分かり難かったので今回もステッチを解いて確認してみました(^^♪
まずは、表から貫通で入れている三角のステッチを解いてみました
通常の剣ボロ明きの下ボロ部分はパイピングが多いかと思いますが、今回は三つ折りで縫われていました
パイピングで縫うよりも三つ折りの方がパーツ数も少なく縫製も簡単なのですが
切込みが丸見えになってしまうのが難点かなと思いました
(ボロボロで少々分かり難いので次回縫製する時に解説します(-_-;))
三つ折り部分のステッチも解いてみました(^^)/
生地の織りが粗く無理やり縫っているので明き止まりがボロボロになってしまっています・・・
ここからどのように縫われているか予想してみたいと思います!
↓パターンです
参考にした仕様は明き止まりの切り込みをY字ではなく真っ直ぐ切り
無理やり表に縫い返していたので、丁寧に縫ったらこんな感じかなと思いY字
に切込みを入れる仕様にアレンジしてみました(^^)/
タックの中に小さいタックの指示がありますが、恐らく無理やり表に縫い返した時に
タックになってしまったのかなぁと思います
それでは次回のブログで縫製の解説をしますのでお楽しみに(^^)/
厚み軽減剣ボロ②
皆さんこんにちは
早いもので1月ももう数日で終わってしまいますね( ;∀;)
体感時間が子供の時よりも短く感じるのは、日々新しい発見や体験をしていないかららしいですね(・・;)
今年は何か新しい趣味を見つけて充実した2024年を過ごしたいと思います!!
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それでは前回の続きの厚み軽減剣ボロの縫製からです(^^♪
裁断をした後、明き止まりの5mm手前まで土台布に切込みを入れます
下ボロを縦半分に折り、剣ボロは出来上がりでプレスします
下ボロと剣ボロの裁ち端と切り込みを合わせて5mm幅で縫い、
明き止まりの少し手前から止まり位置に向かって斜めに縫います
裏から見るとこのような感じです
行ってこい明きと似たような縫い方ですね(^^♪
地縫いをした後、明き止まりの5mm手前まで入れた切込みを明き止まりまで延長します
剣ボロと下ボロを表に縫い返し、下ボロを表からコバステッチで縫います
剣ボロを表からSTで叩いて完成です!
裏側から見るとこのような感じになっています
切込みの隙間を無くしたかったですが、切り込み同士をくっつける事によって
明き止まり付近でタックになってしまい、表から剣ボロにステッチを入れる時に噛んでしまいます
↓今回はタックになってもステッチを入れた時に噛まない程度まで切込みを閉じてみました
実際に縫ってみて結構無理がある縫い方でしたが、ウールシャツで袖口を剣ボロにしたい場合は厚みを軽減できるので、明き止まり付近の仕様を工夫すれば有効だなとおもいました
参考にした仕様は、明き止まり位置と地縫いの縫い止まり位置に隙間が空いていたのが原因で切り込みが表から見えてしまっていたので、今回は明き止まりと縫い止まりをピッタリにしたのですがギリギリまで縫いずらかったです( ;∀;)
やっぱり実際に縫ってみないと分からないですねぇ
改良した仕様が思い付きましたらブログで紹介したいと思います!
厚み軽減剣ボロ①
皆さんこんにちは
去年の12月は例年に比べて暖かく、このまま春になってしまうんじゃないかなと思っていたのですが、年が明けた途端に寒さが増してきましたね( ;∀;)
毎朝布団から出るのが辛いので春のポカポカ陽気が待ち遠しいです(-_-;)
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それでは私が持っていた古着のシャツで面白い剣ボロの仕様があったので紹介します(^^)/
またまた剣ボロかって思われるかもしれませんがホントに色々縫い方があるんです(笑)
表は一見普通の剣ボロですが、剣ボロと下ボロは二つ折りで地縫いをし、表に返してからSTで叩いています
そうする事で、裏面が剣ボロと下ボロが重ならなくなり厚みが軽減されています
↓今回紹介する剣ボロのポイントは厚みを軽減している事かと思いますが、個人的には明き止まりの部分がどのように縫われているのか気になってしまいました(笑)
切込みが見えるのでどうやら無理やり縫っていそうな気がします
詳しく見たかったのでステッチを解いて確認してみました!
良く見かける剣ボロは剣ボロと下ボロを地縫いする際に、平行に真っ直ぐ縫ってY字に切り込みを入れて表側にひっくり返しますが、コチラの仕様は明き止まりに向かって段々ステッチ幅を細くしていっていました
切込みと地縫いの止まり位置が離れている為やはり無理やり表にひっくり返していますね
明き止まりの切り込み位置と地縫いの縫い止まり位置をピッタリにすれば、綺麗に表側にひっくり返せるのではないかなと思ったので、次回のブログでアレンジバージョンの縫い方を試してみます(^^♪
↓パターンはこのようになっていました
そこまで難しくはありません(^^)/
下ボロはパイピングで縫う事が多いかと思いますが今回の仕様
は二つ折りで地縫いをし、袋縫いのように縫代を包んだ後STで叩くので縫製もそこまで難しくなさそうです(^^)/
それでは次回のブログにて縫製についてを紹介しますのでお楽しみください(^^♪
額縁始末 縫代優先?角度優先?
今年最後のブログ更新です。
今年も早かったですね・・年末の新橋は去年よりもかなり人が多い気がします。
コロナを気にしなくなってきたので皆さん呑みに出ているようです。年末はえらい事になりそうですね・・
年末年始は12月26日~1月9日まで休講のため見学や問い合わせが出来ませんのでご注意ください。
年が明けるといよいよ4月入学の準備が始まりますが(早い・・)申し込みをお考えの方は一度見学に来て頂けるとイメージが掴みやすいと思いますので是非ご検討下さい
では年末年始にゆるっと見る事の出来る動画を↓
ダッフルコートを解体してます どんな仕様になっているかはばらしてみるのが一番です(ばらしても分からない事は多いですが、とても勉強になります )
そんなばらしている様子を長めに撮影してみたので、年末年始にゆるっとご覧頂ければと思います!
さあ、今年最後は「額縁始末」についてです
生地が厚い場合角の部分の縫い代が分厚くなり過ぎるので、それを防ぐため斜めに縫うやり方ですね。
本来は左だけが多いですが、左右どちらもやってみました 多く見られるのはベンツや袖口の本切羽と言われる仕様のものです(基本ベンツと同じです)
↓パターンです
裏地付きの方が多いので付けました。
右側持ち出しの表地が2枚になっているタイプです(ここは本来裏地にして薄く仕上げているものが多いです)
裾は30mm控えました。キセは10mmです。
ここで大事な事は「どこを縫うか」を良く理解しておく事です。
持ち出し幅が40mmで縫代10mmで、合計50mmです。
対して裾は控えが30mm、10mmキセ分+縫代10mmで、50mmです。
そうすると、額縁の角度は45°ではなくなります。ここが結構ややこしいところなので、必ず紙を折り畳んで確認するようにしましょう 以外な見落としがあるかもしれません・・
↓別のタイプ(45°を優先して)もやってみました。
45°を優先すると縫代幅や控える量が変わります。
欲しい持ち出し幅や、裾の縫代幅、額縁の角度どうしたいかを決めてからパターンを引くようにしましょう
ちなみに
裾は控えが40mm、10mmキセ分+縫代10mmで、60mmになります
ややこしいですね・・・
ちなみに45°の方が綺麗に縫代を折る事が出来るので収まりが良い気がします。
あとは縫って確認する事をオススメします!かなり角の部分が複雑なので、縫わないと構造を理解するのは難しいかなと思います・・
裁断あと止まり位置、ベンツを縫います。(通常のベンツの縫い方なのでここはサラッと気味に)
裏もキセを入れて縫っておきます。裾も20mmで折っておきます。
裏を持ち出しに縫います。ここも通常の縫い方ですが、裏の裾は先に折っておく事がポイントです。
その後額縁始末します。実はタイミングが大事で
額縁→持ち出し→裾などの手順だと上手く縫う事が出来ません。
実際に手順を変えて縫うと(↑これはうまくいっているやり方です)ここの縫代が・・
最後こんな感じで飛び出してきます。
ベンツ(持ち出し)コの字に裏と縫い合わせて→額縁始末→裾の順番で縫うようにしましょう。
縫い終わってひっくり返すとこんな感じです。裾が最後だと7mm手前くらいまで縫い込む事が出来るので、ほぼ隙間は出来ないです。(ちょっと出来ます、これは私では解決出来ない問題でした 思い付いたらトライしたいと思います)
生地がかなり集まっているので、縫う箇所は要確認です
↑完成です。
「額縁始末」は存在は知っていて「あの斜めに縫うやつね」とイメージはすぐ出来るのですが、「条件が変化した際の額縁の角度と縫代設定」はかなり複雑です。
また、裾の角などが手まつり出来るような場合は良いですが、速度を考えると極力ミシンで全て完結してしまいたいところです。
ベンツの角や見返しの裏地を手まつりしない方法は意外に難しいので(縫ってみるとやり難い事が多いです。)確認をするようにしましょう!
では冬休みに入るので、生徒の皆さんは部分縫いをしてみてください!
あれ?ってなる事が多い仕様です!
では良いお年を
キセ入り箱ポケット
寒くなってまいりました
ただ、気候が安定せずに寒くなったり、厚くなったりで風邪をひきそうです・・
皆さんもお気を付け下さい・・この時期が一番風邪をひきやすいですよね・・・
今年も残すところあと1月ちょっとです
ほんとに驚きですよね・・・この前入学されたばっかりなんですが・・今年の内に教室内をちょっとずつ掃除をして大掃除を中掃除くらいにはしておきたいですね・・・
↓今回はちょっと変わり種の「アイロンかけ」です。
初心者の方というか、服を作製されない方も見て頂けると「着心地がラクになるアイロンがけ」をしていますので、是非皆さんご覧頂ければと思います!
普段のアイロンかけにひと手間で格段に着心地が良くなりますよ
さて今回は「なんとなくこんな仕様があった気がする」シリーズです(笑)
ちょっと見て完璧には覚えていないので、そのあたりは工夫してます
という事で「キセ入りの箱ポケット」です
見た時は驚きました!「ここまでする?」と・・
前回のステッチを表に出したくない系の仕様ですね・・この手の仕様は沢山ありますが、「わざわざ」というものが多いので値段の高い服に多い印象です。
なので、こういった仕様があったりすると他と差別化出来ますね!
こんな感じです!↓
ぱっと見た所ステッチが表の7mm程のステッチしかありません(実際にカンヌキでした)
ぺらっと捲るとステッチが見えています!
そうですね・・わざわざキセを入れて控えておいて表のステッチを隠した仕様(また )になっていました・・・マニアック過ぎる・・
では縫ってみましょう!
パターンはそこまで難しくありません。
口布の両端を15mmにしておいてキセを入れるだけです。
芯を貼って裁断しておきます。
向こう布あて布は先に叩きつけておきます。出来上がりより2mm程控えています。
ここですね!箱ポケットの両サイドを中縫いする際キセを入れておきます。
ひっくり返してキセが入った状態です。
あとは通常の縫い方をしていきます。
袋布(手前)と口布を↑の写真のように縫い(上から袋布・口布・身頃の順にセット)
切り込みを入れて(口布はカットしない)
ひっくり返してアイロンで整えておきます。
その後一度元に戻し、向こう布と袋布の周囲を袋縫いし
ひっくり返して周囲0.7cでstです。
あとは口布をめくって、向こう布貫通のステッチをいれます。
三角の切り込みはこの時折り込んでおいても良いかもしれません(折り込むと少し厚みが出るので今回はやりませんでした)
あとは先ほどのキセを入れた箇所にステッチを入れて・・・
表からカンヌキ(今回は返し縫いだけです)を入れて完成です!
縫製は特に難しくありませんでしたが、敢えて言うとキセを入れたところにステッチを入れる時狙いにくかったですね・・生地がもっと分厚いと難易度が上がりそうです。
ただ出来ないことはありませんでした。
表にステッチが見えない仕様として研究し甲斐があると思いますので、皆さんも口を表裏で接いでみたり是非アレンジして試して下さい!
ちなみにこの縫い代は前説明した「タック入り」のやり方で綺麗に見せることが出来ると思います!
工夫次第でオリジナルの仕様は出来ると思います!
ではまた!
落としミシン比翼(キセ入り)
やっと寒くなりましたね・・
こんなに暑さが続いたのは記憶にないです・・・
半袖でいい11月とか・・アパレルの売り上げが気になりますね・・
さて10月から1月経ちまして皆さん少し慣れてきたようです。早い方は原型作りが終わり、フレアスカートに入ったりしていますが、「線は丁寧に」引きましょう
本校では手引きでパターンを引いてもらっていますが、大事な事は「手が線を覚える」事だと思います。
専門学校を出て、会社に入るとすぐにCADで引いてしまう事が多いようですが、最初1,2年は手引きの方が良いんじゃないかな?と個人的には思っています。
感覚の問題というよりは、「ラインの質」はとても大事で、それは手で引いてしまった方が覚えが早いと思っています。
本校はプロの方も多く通われています。専門学校を出てすぐ会社で働いてみたものの、「有り型」の修正をするだけで基本が全く分からず困っている。という方が多いです。
確かに色んな会社があって、色んな引き方があると思いますが、「原理」というものは存在します。デザインやシルエットなどには正解は無いでしょうが、「そのデザインにしたいならこういう修正をしなければならない」はあると思います。
1つの会社だけでは「色んな引き方」に触れる事も少なく、「原理」を知るタイミングも無いかなと思いますので、悩んでいる方がいれば強く本校をオススメします。
是非見学だけでもいらして下さい。お悩みを解決できると思います
という事で「原理」です↓
またまた無料なの?という内容です!
バスト寸法が小さく、肩幅が大きい(ドロップしている)デザインのものだと悩ましいAHのお話も入っています
学校のセオリーなどでは、「前後SPの2点間の半分の位置からAHの高さを割り出して・・・」というような考え方でパターンを引いている事が多いようですが、この例では、その考え方だと全く狙った袖になりません。
是非一度見て頂きたい内容です。「一定の引き方のルール」だけでは色んなデザインに対応出来ない事が分かるかなと思います
では今回はかなりマニアック路線で・・・
「落としミシンの比翼前立て(キセ入り)」です。
まあマニアック・・・一部のデザイナーにしか喜ばれない仕様です
↑こんな感じの仕様です。
そうですね、表からステッチが全く見えない仕様となっております。
ステッチがないのでドレスっぽいアイテムに良いんじゃないでしょうか。
ポイントは裏側にステッチが2本見えている所と表の落としミシンが隠れている所です。
↑パターンはこんな感じで、断面図も用意しました。
ちょっと見ても分かり難いですね 早速縫っちゃいましょう!
裁断した状態です。一応分かり易いかなと思ってチャコで線を引いています。
あと表地には芯を貼っています(これは本番では貼らない方がいいと思います。今回は裏と視認しやすいよう貼っています。)
身頃は普通に0.5cst三つ折りです。
と、ここで早速問題が・・
↑赤の丸の部分の縫代が折ってみると生地の厚みで5mmになってしまいました・・
急遽赤の丸部分の縫代を15mmに変更して裁断し直しです。
生地が厚い場合は何度も折るので厚みで「持っていかれ」ます。そこは生地と相談して縫代を調整して下さい。
↑実際折ってみた状態です。
折り方はパターンに山と谷と記載していますので参考にして下さい
身頃は裾にステッチをかけておきます。
身頃と中縫いします。この時キセが2mm入っている状態です。10mmで縫いましょう。
ここが1つポイント。比翼布が開くのを抑えるステッチを入れて・・
↑の写真のように見返しの裏側から比翼布表裏を抑えるステッチを入れておきましょう。
このステッチが入らず表からのステッチだけだと比翼布が出てきてしまう可能性があります。
↑反対側から見た状態と表から見た状態です。縫代は開いておくのがポイントです。(あとでこの縫い代で角の縫代を包む事ができます。)
↑今度は下端を地縫いします。写真のように折って、片側の縫代は縫わない状態にしましょう。
ひっくり返して、この時に先程の縫代で包むと綺麗な角が出来上がり、縫代の飛び出しがありません。
↑最後に表から落としミシンを入れ完成です。
この時キセが入っているので隠れて見えなくなるという仕様です
ただ、キセをよけて縫う際に若干横に生地がズレるのでやり難さを感じました。
生地が柔らかく「沈む」生地であれば、キセを入れなくても見えにくいかと思います。
あとは1mmでもいいかもしれません。
裏からみるとこんな感じで下端も綺麗に収まっています。
こんな感じで「使うタイミング」が分からないような仕様ですが、知っておくと、「あ、こんな仕様あったな」となると思いますので、是非「ステッチ表から見せたくないデザイナーっさん」とのお仕事の際はお使い下さい
ではまた次回!!!