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2012 年 2月 – パタンナーズライフ

ピーコート②

2012年4月入学がもうすぐ始まります。

今期は「カーネーション」の効果なのか、見学の方や、体験セミナーを受講される方も多い気がします。

ただ継続される方も非常に多いので、残り座席数が少ない状況になっております。

入学をお考えの方は、来校前に空き状況をお電話で確認されることをお勧めします。

 

ではでは・・・

今回はピーコートの生地の説明から、

 

    

前回もお伝えしましたが、使用する生地はメルトンです。このメルトンは綾織りの肉厚の生地でした。

裏の綾目がはっきりでていて、裏を使ってもいいかなといった感じです。

 

 

そもそもメルトンって?

経糸・緯糸ともに太く柔らかい紡毛糸を用い、強い縮絨(毛端を絡ませてフェルト状にすること)を施し、表面の毛羽(けば)を短く剪毛(せんもう)して仕上げた毛織物。

起毛はせずに、平織か綾織で織る。毛羽立ちはまばらで一方向に揃っていない。

手触りが柔らかく、非常に厚地で、防寒用に適している。

主な用途は、コート、ジャケット、ハンティング・ウェア、軍服など。

という生地です。 

ちなみに、メルトンの語源は、イギリスの有名な狐の狩猟地メルトン・モーブレーにちなんだといわれているそうです。

 

 

まずは、途中のアイロン工程で縮まないように裁断前に縮ませておきます。

 

  

全体的にスプレーで、霧吹きし、袋の中に入れ、1晩寝かせます。

その後、アイロンで地直しすることで、途中アイロン工程での縮みを防ぎます。

 

次は裏地ですが、コットンを使ってみようかなと思います。

いつもなら、滑りのいいキュプラを使うのですが、前から使ってみたかったヴィンテージのシャツ生地を使ってみようと思います。

  

3種類準備しました。全部使うかは、まだ未定です。

 

  

結構お気に入りの生地で、生地端の耳の配色がいい感じです。(たぶん使わないけど・・・)

 

ところどころに織りキズや、汚れがみられるのですが、極力さけながら使っていこうと思います。

 

 

後はポケットの布は何にしようかなあと検討中。昔のピーコートを見ると、暖かいコーデュロイを使っていたようなので、探し中です。

 

 

ほんとは生地が完全に決まってから、工業用パターンを引くツモリでしたが、先に作っておきました。パターン枚数が30パーツ越えて結構な枚数です・・・

 

 

 

では次回裁断です!(個人的には裁断が好きで、厚地生地のサクサクっとした感触が気持ちいいので、ちょっと楽しみ。)

 

お楽しみに!

 

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ピヨ ~ボディについて②~

こんにちわ、ピヨですchick

 

工業用ボディについて、前回の続きです。

 

みなさん、ボディってどのようにして作られているか知っていますか?

 

前回紹介した、当スクールでも一番愛用しているキイヤのキプリス9AR。

こちらのボディーメーカーは昔ながらの製造法で、ほぼ手づくりで作られています。

 

 

~ボディが出来るまでの過程~

 

① 雌型(めがた)と呼ばれる型に厚紙を湿らせて沿わせ、張り子を作ります。
   <張り子=布を貼る前の状態のボディ>

       

 

 

② 紙だけだと乾燥した時に縮んでしまうので、上から石膏をふります。

   (そうする事で強度も増します。)

 

 

③ のりで厚紙を三層に重ねます。

        

 

 

④ ボディの前後を合わせて、首の穴から内側に石膏を塗り、型から外します。

         

 

 

⑤ 出来上がった芯材を乾燥室で一晩寝かします。

 

 

 

⑥ 乾燥したボディの表面をサンドペーパーで削ったり、凹んだ部分を石膏で埋めて表面を綺麗に仕上げます。

 

 

⑦ 布張りをします。

  (工業用ボディは綿か麻混のしっかりした生地を使いますが、ディスプレイ用ボディは注文客の希

   望する生地を使います。)

        

 

※1体完成させるのに最短でも3日かかります。

 工業用の年間生産量がたったの約1300体。

 手作業ならではの台数ですね。

 

中国では樹脂成型でボディを作っているメーカーもあるそうです。

ただ、それには1型何百万もする高額な金型が必要になる為に、ボディの型数が多いメーカーには膨大な投資となってしまいます。

それよりも、昔からの技術を今に引き継いで、1体1体手作業で作られているのだと知ると、すごく温かみがあり、大事にしようと改めて思いますよね。

 

 

 

そのボディから私たちの手で作られる服も同じですよね。

機械で何でも簡単に作れる現代ですが、だからこそ逆に手作りの良さが伝わると感じます。

 

最近生徒さんの中にも、普段着やダンス用の衣装等を自ら進んで製作されている方が多いです。

私も負けない様に色々作ってまたブログで紹介させてもらいますね winkshine

 

ではでは今回はこの辺でclub

 

 

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ピーコート①

寒い!と思っていたら、最近かなり暖かくなりました。変な天気で困りますね・・・

寒くなってきた年末頃からコートが欲しいなと思っていました。

 

よし!寒いし、コートは高いし、自分で引いたパターンで作った服を経年変化と共に、着心地を確認できるので、作ってみよう!

 

来年あたりから着ようかなと思い、すこしずつデザインを調べていました。

 

 

ピーコートって?

19世紀末からイギリス海軍が艦上用の軍服として着用していた他、猟師たちの間でも着用されていたそうです。

 

オランダ語でラシャのコートを意味する pij jekker が語源と言われている。英語では pea coat 、ドイツ語では Caba と呼ばれて、パイロットコートともいうそうです。

 

デザインや仕様は幅広の衿と、手を温めるために縦に切り込みを入れたマフ・ポケット、碇をあしらったボタンなどが特徴です。

 

艦橋や甲板などの厳しい気象条件で使用することから、風向により左右どちらでも上前を変えることが可能となっているそうです。片方のボタンが破損してももう片方で止められるという事もダブルになっている理由だそうです。

 

 

今のデザインは?

いやあ、ピーコートといっても色々ありますねえ・・・

 

ドレスっぽいタイプからカジュアルな雰囲気のものまで様々です。全体的にタイトで袖も細い、街着用のデザインのものが多かったように思います。

 

私は、カジュアルな雰囲気で、ロングのピーコートに挑戦。(巷ではドレスっぽいピーコートで丈が短いものが多いのですが、なぜか苦手で・・・)

 

ただ、かなり好みは入るし、実験してみたいことも入ると思いますが・・・

 

素材は主にメルトンがよく使われますが、最近は昔使用されていた重たいメルトンではなく、軽くて保温性のあるメルトンが使用されています。

 

今回使用するのは、密度があり、やや重いメルトンを使用して作ることにしました。

  

結構いい素材です。光沢がちょっと強めなので、少しだけドレスっぽい雰囲気になると思います。

 

てなわけでデザインを考えながら、すこしづつ使用やシルエットを変えていきます。

 

既製服のバランスを壊さず、ある程度自分の体型に合わせて作ってみます。

 

 

・・・自分のパターンは引きにくいですね・・・:oops:

 

ボタンバランス

に少し悩みました、特に毎回ダブルのボタン位置はバランスが取りにくいですね。

 

袖に関しては、ドレスっぽいタイプにするか迷いましたが、カジュアルな雰囲気にしたかったので、ボックス型のシルエットにしました。

  

フラップ幅、両玉縁のポケット位置、袖丈、身幅

は少し修正が必要でしたね・・・

あとは少し修正をかけて工業用パターンに入りたいと思います。

 

お楽しみに~

 

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