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東京のアトリエ講師のこだわりや、物作りの様子をお知らせします。ファッションの情報やイベント告知も行います。
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2013 年 10月 – パタンナーズライフ
2013 年 10月 – パタンナーズライフ
ディティール研究②
さてさて今回は一部のマニアックな方々に喜んでもらえるかなという企画、ディティール研究です。
(主に男子)
今回は皆さん大好きリ○バイス501xxです。
特にヴィンテージは皆さん大好物かと思います。
お店やネットでも見る機会は少なくなってきましたが、ありがたいことに、復刻(レプリカ)を出してくれているのでたまに見つけては、物色しております。(本物は無理です)
というわけで、ちょっとパタンナー目線での研究を・・・オペラの男子生徒向けです 。
調べたものは2種類
リ○バイス501xx 1927年
リ○バイス501xx 1966年
です。
今回は1927を調べて、次回66と比較して、実際縫って、縫いやすさなどを検証してみましょう。
ではでは
一番の特徴はホワイトステッチで1本針2本糸で縫製しているところでしょうか。
現行品やこの後紹介する66なんかは環縫い(いわゆるチェーンステッチ)で縫製されている所が多数あります。個人的には下糸を替えなくて済むので、下糸を替える手間が省けるためかと思います。後は、環縫いをすることでチェーン状に縫われ緩みが出る。諸説ありますが、私の見解としてはこんなところです。
逆に2本糸だと、強度は高くなるかと思いますが、縫製の際に、均一な幅になりにくい(ヴィンテージはこの辺りの雰囲気が好きな人が多いと思いますが)かと思います。このジーンズも実際、5mmのステッチ幅から徐々に3mmになり、ステッチが歪んでいました。
まあ、手間もそれだけかかるかなと思います。
このあたりは1927年で、テーラーメイドの名残と工業用として実験段階っていう雰囲気にまとまっています。
で、ジーンズの一番気になるところです。
開き部分です。
今回はここを重点的に。
裏側や、縫い代をどうやって折りこんでいるかを確認します。
良く確認すると、この部分は中縫いされていません。
角の部分の縫い代の入れ方も縫い代が飛び出ています。
これは正直汚い。と思うのですが、このあたりがカジュアル、工業用の面白いところです。
なにか理由が無ければこんなことはしないだろうと。
じゃあ何が理由でこんな縫い方をしているんだろう?
と考えていきます。
理由はベルトに開き部分を差し込んで縫い、地縫い工程を減らしているんじゃないかと推測できます。実際に地縫いしてひっくり返して、角を作る。という作業はやはり手間です。(そのほうが圧倒的に綺麗ですが)
ここは次回実際に縫ってみて検証してみましょう。
表から見ると、ベルトの周りのコバステッチ(1mmではなく2mm幅)が途中で止まっています。
他には股ぐりも・・・
ステッチの幅がかなり細くなっています。しかも途中から幅をわざわざ変えて縫製しています。
裏側から確認すると、表からは2本の糸しか見えていないのに、裏は3本見えています。
ここも要確認です。
前が重なる分量も現行品や66などでは7mmから10mmですが、5mm程度です。
他にも・・・
裏から確認すると現行品にはないディティールがちらほら。
耳を使った持ち出しなど。
数えればきりがないですが、年代が変わって、ディティールがどう変化して行ったのか確認していきましょう!!
では次回もお楽しみに!!(主に男子)
三つ揃えスーツ
こんにちは K です。
いやぁ…つらい天気が続きますね。
暑くなったり寒くなったり、体がついていきません。
多少若い(?)私でこれだけ辛いので、うちのおじいちゃんとか体調大丈夫なのかなぁと気になったり、
けどわざわざその為に連絡するのも照れくさいなと思うと出来ずじまいでもんもんとしてしまいます。
さて、まあそれはそれで置いておいて…
私の別ブログ(パタンナーの卵)で前に少し触れてたのですが、そろそろ自分のスリーピーススーツが作りたいなと思い、今回から何回かに分けて作る工程をアップしていこうかと思います。
何故?作ろうかと思ったのは、単純な理由で「市場にないから」です。
一度学生のとき、なけなしのお金でポールスミスでスーツを購入したのですか、小さいサイズを選んでもどうもしっくりきませんし、なんというか本当に「スーツ」って感じで普段からカジュアルな服装の自分には本当に数回しか着ませんでした。
けっこういいお値段したんですけど、もったいないと思いました。
なので今回自分が目指すスーツは
●なるべく普段から着用できるような形
●だが作りはそれなりにしっかりしたものを
●長方形っぽい形のシルエット
を満たす仕様にしようとおもいました。(断じて駄洒落ではない)
そして、それを反映したデザイン画がこれです↓
肩パットなどはあまり入れず大きくても5mm程度のナローなライン。
全体のシルエットはメンズっぽいシルエットで、フィットはしているが運動量などはしっかりいれる。
※これは個人的にそのシルエットが好きなので…というか市場にそういうシルエットの三つ揃えってなかなか見ないとおもいませんか?
そして、作図とトワル組を進めたのですが、なかなか進まない、どうやったらメンズっぽくてちょいゆるなシルエットになるだろうかと授業時間の合間も色々やりました。
そうして結局作り直すこと×回くらい、微調整につぐ微調整でした。
色々悩んだポイントは多いのですが今回は自分の肩まわりについてお話しようかと思います。
まず、自分は猫背で、肩が前に出ています。それもなかなか大きく…
しかしこの形態はこういった前かがみで作業される方には多い形態です。
とくにオペラに来ていただいている生徒さんの大体はみんなこの形の肩形状をしていました。(※何人かの方に肩を触らせていただいた結果)↓肩パットで前肩をつくってみました。
その肩形状に合わせて作ろうとすると背幅をもっとだしてAHの形状自体を傾けて修正していくのですが、どんどんメンズ袖っぽくなっていくんですよね。
あまりやりすぎもいけないのでほどほどにしましたが…
右側(袖をつけてるほう)の形でいきます。
AH回りの身頃のゆとりも残して動きやすく意識しました。
また本縫いのときに微調整しながらあわせていきます。
カットソー講習
大阪での芯地講習が終わりまして、早速10月期の生徒さんが入って忙しくなってきました(^_^)
ちなみに芯地講習は皆さんに好評のうちに終わりました。ちょっと笑いも交えながら、皆さんに満足してもらえたかなと思います 大阪のみなさんまた宜しくお願いします!!
ちなみに、
生地の勉強をずっと続けているのですが、ほんとに良く出来ているなと思います。
特に昔から使われている生地は理由があることが多いみたいです。
有名なバーバリーの生地もギャバジンを使っていますが(最近では高密度に織られた長繊維をもちいたギャバジンをバーバリーと言うようですが)アウターの目的に本当に適した素材だと思います。
高密度に織られているので、防風、防水、強度、軽さなど挙げればキリが無いくらい適しています。100年も前に開発されて、今も淘汰されずに生き残っているものには必ずそれなりの意味があると思います。
このまま続けて、いつか生地開発とかしてみたいですね~
さて、大阪での講習を終えたばかりですが、以前から準備していたカットソー講習を開催しました。
ですので、お話を少し。
なかなかいい生地が手に入りまして、個人的には気に入っています!!
鹿の子ではなく鹿の子風ジャージです。
ひとまずネイビーとグレーで用意しました。
やや光沢があり、しっかりした作りの生地です。
普通鹿の子はあまり硬いものを使わないのですが、これは、横にだけかなり伸びてくれる生地でした。
縦に伸びるとシルエットが崩れるので、あまり好きではありません。
しかもナイロン10%混の綿なので、強度が高く、着ていても着崩れしにくそうです。
縫製はレジロン(ナイロン)で縫い、引っ張りに強くしておきます。
今回は硬い素材だったので必要ありませんでしたが、家庭用や、1本針のミシンで縫う場合はより滑りの良いアタッチメントに変えるべきでしょう。
家庭用の方はジグザグ縫いの幅を狭くして、伸縮性をもたせるなどの工夫が必要です。
(まあ高級なロックをお持ちの方は別ですが・・・ )
後は芯ですね。
AM300というニット芯を使用しました。
かっちりした衿作りをしてこの素材の光沢に合う高級感を出したかったので、少し固めの芯です。
こちらも横のみに良く伸びるので、きちんと表地についていくか確認してから選んでいます。
↑の生地を使って↓のポロシャツを作成しました。
では完成は近々「マイドブランド」のほうで!!
お楽しみに!!