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2013 年 12月 – パタンナーズライフ

トレンド講習 トレンチコート縫製(ポケット)①

こんにちわ。師走です。
1年はあっという間に終わりますので、毎日なにかしらの技術を高めて理論を考える事をしないといけないなと思います。電車の中でパターンの理論を考えていると、目の前のスーツのおじさんに絡まれそうになりました。皆さんも電車の中では難しい顔はしないでおきましょう。

さてさて、、前回のディティールはちょっと間を空けさせてもらって、お先に
以前開催した、トレンド講習のトレンチコートですが、縫製はしゃくれが担当させてもらったので今回はそのお話を。
トレンド講習に出席していた方はパターンを使って色々縫ってみてください!!

今回の縫製はステッチ幅が非常に目立つのでいつも以上に丁寧に縫いました。

ただその中で、ポケットは縫う手順がややこしいので、説明したいと思います。

今回のトレンチは裏地が前身頃には無いので、ポケット袋布にロックでは味気ないです。

せっかくなので、全部袋縫いにして綺麗にしてしまいましょう :lol:


ではでは、


パターンです。

縫製用に細かな調整はしていますが、とくに難しいことはしていません。


まずは身頃にしるしをつけます。

今回は分かりやすく、切り込みを入れる位置は赤で。
しるしを入れる位置は間違えないように!!

あとで箱ポケット端にコバ+5mm幅のステッチをかけるので角は隠れる箇所に切り込みを入れます。



裏は芯を貼っておきます。

袋布(手前)側にも印を入れておきます。

次に箱ポケットの端を縫います。

表のみ芯を入れていますが、縫いズレがおきやすい場合は薄手の全面芯を貼ると、縫製しやすくなります。(デメリットとしてはちょっと硬く仕上がります。)


で、ひっくり返します。サイドはちょびっと控えて表から縫目が見えないようにしています。



箱ポケットに印を入れておきます。(ちなみに印は消えるボールペンで書いているので、アイロンをかけると線が消えます。結構重宝してます。 :-D



箱ポケット端にステッチをかけておきます。

返し縫いが気になる場合は無しで裏で糸足を結ぶといいと思います。(返し縫いのほうが効率はいいと思います。)


で、セッティングです。
まずは箱ポケットだけをセッティングします。

左右間違えないようにしてくださーい!!縫製箇所にも印を入れておきます。



で、仮縫いです。仕上がり線より2mm内側を縫っています。
本当は一気に袋布も縫うと効率がいいのですが、ここは慎重に、、、
急がば回れです。(慣れないうちは必ず遠回りをしたほうが失敗が少なく、結果早く縫えます。まあめんどくさがらなければ大丈夫です :-P

次は上に袋布(手前)をセットして、地縫いです。
うまくいけば反対側にもステッチです。
ここでの縫製が表の仕上がりに大きく響くので、正確に縫うように気をつけてください。



で、切込みを入れてひっくり返して一度アイロンで整えます。



角の縫い代は切り込みすぎてはいけませんが、切り込みが甘いのも表地を引っ張るので良くありません。私は生地の糸2本分手前まで切り込みをいれる事を意識してます。



ひっくり返すとこんな感じです。あまり引っ張りすぎず、縫目が見えないように注意しましょう。


次はステッチを、、、、、、前にちょっと休憩を。

結構部分縫いは長文になりすぎるので、また次回説明させてもらいたいと思います。

年内にはUPする予定なので、冬休みにコートを縫製する前に1度練習してみてください!!
ではでは次回お楽しみに!!

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三つ揃えスーツ(ベスト編①)

こんにちは K です。

 

今回の更新は前回から引き続きスリーピーススーツ(三つ揃え)の続きです。

ベストの工業用パターンを引くところまで!

 

ベストというとジャケットなどと違い、安易であるという印象がつきやすいですが、私はそうでもないかと思います。なんといってもアームホールの形状のバランス、衿ぐり形状がなかなか…カタパットもはいりませんしね。

 

私が今読んでおりますテーラーの古い本でも、

 

「形の簡単なものほど、かえって仕事は難しいもので、アラがよく目立ちます。セゼロ、チョッキ、ズボンのうち、私にはチョッキの仕立てが一番難しい。※タスキがでなければツキが出る。ツキとタスキ両方出たものもある。急所といえば全体が急所だと思ってよろしい…」


と、書かれています。ははあ、やはりそうですねぇ…

タスキ も ツキ もシワの種類のことですが、どちらも主に首廻りによくでるシワです。

タスキジワはなで肩の方によく見られ、ツキジワはいかり肩に良く見られます。(絵型おいておきます)

大体の全体図は前回写真で上げたカタチになりますが、そこから少し微調整し、仕様をきめます。

微調整後↓

このときは右肩が重いもの持ってた後なので下がってますね…いけませんね反省(´д`、)

 

そして今回の縫製方法はテーラーの縫い方の一部を取り入れて、さらにオリジナルにアレンジを加えた方法にしようかと思います。

成功しても失敗しても、その原因と考察等のレポートをここにアップする予定ですのでお楽しみに、

 

テーラーの見栄えを既製服に何処までおとせるか…、できれば一般的な既製服との縫い方との比較で伝えられたらなとおもいます。

 

縫製方法の検討の末出来上がったパターンがコチラです。

 

アイロン操作によるくせ取りも少々おこなう予定です。

 

パターンを決定したので、さっそく現在裁断中です。次回は縫製ですね。

 

 

 

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