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東京のアトリエ講師のこだわりや、物作りの様子をお知らせします。ファッションの情報やイベント告知も行います。
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2018 年 4月 – パタンナーズライフ
2018 年 4月 – パタンナーズライフ
ミリタリーコート(イタリア)➂
ムシムシして紙が破けやすい季節になってきました
湿度が高いときはちょっと筆圧下げるように気を付けてます・・・
さて、GWが終わると雨の季節に突入ですが、今回は季節感ある服を紹介できそうです
そうです。レインコートです。何回やるんだという声も聞こえてきそうですが、パターンが面白くてつい・・・
ようやくいい生地が手に入ったので、縫製に入ります。
生地は高密度のナイロンタフタで裏に防水加工が入っております。
これで裏は裁ち切りに出来る!・・・と喜んだのですが・・・
上の写真でも裁ち端こぼれてきてますよね?オリジナルのほうは相当濃い加工になっていたのでほとんどこぼれていませんでした・・・なかなか見つからない・・・
結構な用尺を購入してしまいましたし、生地自体はドレープが出る感じで雰囲気もいいので、縫製に入ることにしました・・・ うーん
裁断・・・・
デカい!!身頃、袖共に右から左まで続きというパターンだったので縦に入りません
なので横地の目を通しました。
予想はしていましたが思った以上にデカくなった・・・これは量産では絶対にやらないですね。お金かかりすぎます・・コスト・・・
裁断に相当苦戦しました・・・
縫製はかなり難易度高かったです。所謂パッカリングが無茶苦茶起きるので、細い針を使ったり、押さえを変えたりと調整してなんとか許せる範囲に。それでも高密度の生地は難しいです・・・
ディティールで一番苦労したのがポケット。
こんな感じで裏まで貫通の口が開いている仕様で・・・
見返しにだけ袋布たたき付けです(向こう布の変わりですね)
おかげで縫うのに非常に苦労しました。
ちょっとどういう状態か分かりにくいですね・・すみません。
前端と箱ポケットを縫った後に見返しに叩くので、まあ縫いにくい・・普通に向こう布にした方がいいんじゃない?と思いました 当時のイタリアの方はなぜこの仕様にしたのか、疑問が残ります・・・
あと縫製的に変更したところがありまして、オリジナルは裁ち切りで折りコバだったのですが、いかんせんほつれてきてしまう生地だったため、アームはパイピング始末にしてキレイさを優先しました。
こだわりはパイピングをナナメ縫いして縫い代を薄く仕上げたところでしょうか。
結構手間のかかる仕様です。値段の高い服のアームの仕様ですね。パイピングにした意味はアームに吊りジワがでるのを嫌った為です
あとはちょっと練習しておきたかったので・・・
・・・・で衿ですが・・・失敗!
衿が軽く、薄くなりすぎるのを嫌って、全て2重でやってみようとしたのが運の尽き・・・吊りました・・・高密度の生地の吊り易さを甘くみていたせいで、シワが多くなってしまい、許せるレベルを超えてしまいました
うん・・裁ち直しです。
衿だけですが、これはちょっと悔しかったです・・・
縫わないと分からないなあ・・・生地特性に十分に注意してたつもりでも、縫うと分かる事がほんとに多い・・・ずっと勉強ですねえ・・
悔しい!
お休み挟みまして、次回完成です!
お楽しみに!
部分縫い つなぎパンツ前ファスナー➂
急に真夏日です
暑さが苦手な私にとってはきつい季節です・・・
さて4月生の方も入ってから2廻り、3廻りほどして真剣かつ、ワイワイと楽しく授業を行っております。
皆さん線を引くのに四苦八苦な感じですが、ここを超えると線がキレイになりますから、ガマンガマン
では・・・
前回は部分縫いの手順が終わり、今回はツナギ特有の変わったパターンの説明を。
前回写真が多かったので今回は軽めです。
特にこれが素晴らしいというわけではなく(むしろシルエット悪くなる)こういう仕様もあるんだという一例として見て頂ければと思います。
ではでは、、、
通常身頃には衿が付いているものがほとんどです。
そして当然ボタンもついています。
ここで問題なのが「持ち出し」
上に絵を描きましたが、ツナギはパンツと続いているわけですので、パンツの前明き端に合いません。赤丸しているところですね。
これがいろんなツナギを調べると、
ファスナーが股まで続き
ボタン位置を強引にずらす
衿が左右違う
などかなり強引なものもありました
古着はかなり強引な仕様で、現代になればファスナーなど比較的無理のない仕様のものが多かったです。
今回はコレです↓
身頃は変えずに、パンツの端を変えるタイプです。
これでもやや強引ですので、シルエットは崩れます。
まず右パンツを写して
↑のように左パンツ端のラインを引きます。平行2cにしないのは股のカーブがきつくなるのを少し軽減するためです。
↑次に反転し右も記入します。ここで問題になるのが寸法です。
左右同寸が原則ですから、寸法が合いません。なので、、、
ここで強引に股下からライン修正して同寸にもっていきます。寸法は参考値です。
少し無理がある仕様ですね。
ツナギはワークウェアなのであまりシルエットの綺麗さは気にしないところからこういう仕様が生まれたんだなと思います。
最後にここから自分の手持ちの古着は股グリの厚み軽減か、ずらしていました。
↓ご参考に
調べてみてツナギの仕様は無数に存在していました。決して1つではなくボタンにしたいのかファスナーにしたいのかでも仕様は変化します。何をしたいのかをはっきりさせてから仕様は決定するべきだなと感じました。
でもこの仕様決定はパタンナーじゃないと分からないんじゃないかな・・・
デザイナーの皆様、お気を付けて下さい
では、次回ようやく手に入ったあの生地です
部分縫い つなぎパンツ前ファスナー➁
新学期も始まり、準備などでバタバタしておりましたが、少し落ち着いてきたなと思ったところ今年もパターン検定の案内が届きました。
本校でも毎年受講される方がいらっしゃるので、しっかりフォローしております。
動画も去年作成しましたのでご興味がある方は見てみて下さい
→右のカテゴリー枠の「パターンメーキング検定関連」か「動画」から見てみて下さい
では前回前明き縫製は裁断、印付け、伸び止め貼り、ロックまで終わったところです。
写真多めで細かく見せていきます!
早速ファスナーをたたき付けるところから
見返しにたたき付けます。あとで縫うやり方もありますが、これは楽さ優先です。
コの字に縫います。
次に明き止まりの位置まで左パンツと見返しを中表に合わせて地縫いします。
今度は持ち出しの端を中表に合わせて地縫いします。段差ができますが少し薄くしたかったのでオッケーです。
出来たら表に返して0.5cst入れます。
次に・・・
股グリを合わせて地縫いします。見返し、持ち出し裏側でかまないように気を付けて下さい。片押さえの押さえ金を使ってもいいかなと思いますが無理をして縫うと生地がズレます。
ここでポイント
1c手前で縫い止まります。
これだと見返しと持ち出しの分厚い生地は関係なくなります。間があいてしまっていますが後で解消できますので次に進みます。
見返し端に0.5cstを入れます。縫い止まりより1c手前にしてますから比較的奥まで縫えるかと思います。
見返し端から1cの飾りstです。工場さんでキレイさを求めるところは表からstをかけるそうですが、ここは簡単縫製で裏から縫いました。糸調子に気を付けて下さい。少し上糸を強くすると表のstがまだ見た目良くなります。
ファスナーを持ち出しにたたき付けです。簡易版ですのでガイドになるところがありません。チャコなどで印を付けておくと良いです。ギリギリまでコの字で縫って下さい。
裏側です
最後に見返し端をペロンとめくって、縫い代に切り込みをいれて折り込みます。
最後に表からstをコの字に股グリから続きで入れて終了です。
このコの字stを縫い止まりより奥まで縫う事で、しっかりと明き止まりを塞ぐことができます。
あとはカンヌキなどで強度を上げればバッチリです。
ちなみに、見返しの幅をミスしましてちょっと写真の青色斜線部分いらなかったです
うーむ・・・まあ縫うと良く分かりますねえ・・
今回もボリューム過多なのでパターンとの照らし合わせ、謎の股グリ左右違いの説明は次回という事で・・・
ではまた!