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東京のアトリエ講師のこだわりや、物作りの様子をお知らせします。ファッションの情報やイベント告知も行います。
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2019 年 2月 – パタンナーズライフ
2019 年 2月 – パタンナーズライフ
ゾゾのスーツレポート➁シャツ
先ほどラジオで「梅は咲いたが桜はまだか」と歌が流れていましたが、まさにそんな時期ですね
もう少しで温かくなる季節です。短い期間ですが・・・
生徒さんもたくさん入りました
席がもう埋ってしまっているところが出ていますので、入学をお考えの方はお電話での確認をお願い致します。
では前回の続きです。かなりマニアックになります・・すいません
シャツの縫製とパターンがどうなっているか調べてみました。
まず衿です。カラーキーパー付きです。中の縫製がどうなっているかばらして確認してみました。
まず羽衿です。
固めのバイアスふらし芯が裏衿についていて出来あがりカットではなく縫い代もついていました。芯は2mm控えて貼っていて、衿の縫代は7mmで表のステッチは6mm(表のステッチを乗せたいのでしょう)。
衿先は芯だけぎりぎりまで裁ち落としていました。個人でやるならあとでカットしたほうがやり易そうです。
台衿は裏台衿側に接着芯を貼っていて、芯押さえのステッチが5mmで入っていました。縫い代は5mmか7mmか縫製が微妙ではっきりしませんでした。台衿先の縫代カットはやっていましたね。
ちなみに表台衿を先縫い、裏台衿被せて表からコバでした。
衿をはずすと襟ぐりが伸びているのがわかります。伸ばして縫っている可能性が高そうです。3mmくらいかな?縫代は6か7mmにして縫いやすくしているようです。
肩線中縫いでした このヨークの幅だと、個人でやるのはキツイなあ・・しっかり作っています。
次にカフスです。
ちょっと剣ボロのボタン位置が短くないですか?
ここもはずしてみました。地縫いなしの挟み込みでステッチです。
多分カフスがカーブしているので地縫いが難しいのかなと思います。
カフスは表に固めのバイアスふらし芯がはいっていました。上側には芯押さえのステッチ。
縫代が重ならないようにするための縫代カットが入っていました。気を使っているのが分かります。
挟み込みのために縫い代角が中縫いしてました。これも量産ではいちいちアイロンをかけなくてすむのでラクそうです。
脇、裾は3mmの折り伏せ。ラッパを使っているんでしょうけど、個人でこれはしんどいなあ・・・
前たてはボタン、ボタンホールで三つ折りを押さえていて開いてくる下だけステッチで止めていました。値段も安いので極力ステッチをへらしたいんだろうと思います。
シャツの縫製はよく出来ている(きっちりしたドレスシャツの工場さんで縫っている印象です。縫製の工夫が少な目だったのは値段のせいかなと思います。
それでもこの値段でこの縫製はいい仕事だと思いました。
パターンです。シルエットだけ抜いておきました。そこそこ近いかなと。
ドレスシャツとしてはそこまで変わった所はないかなあと思います。ゾゾスーツのデータを使ってどうやってパターンをセレクトしているかが気になるところです。
カフスは曲げていることに拘りを感じました ドレスシャツでわりと見るパターンですね。
微妙な袖口のカットになるのでここは真っ直ぐにしておいて量産の時に安く仕上げるかなと思ってました。頑張るなあ・・
パターンに関しては袖口以外は普通のパターンという感じでした。「パターンオーダーをゾゾスーツを使って作った」という印象そのままという感じです。特殊な体型の人ならどうなるか気になるところ(まあ袖丈はいかがなものかと思いますが・・)
データが集まってからどんなパターンになっていくのか楽しみにしたいと思います。
ちなみにアイロンで前回のツキジワを消せるかなと思い、肩周りのくせをとってみました。
やっぱりちょっと残っていますね。完全に消し去るのは難しそうでした
では次回パンツです
ゾゾのスーツレポート①
暖かくなりましたね
昼夜の寒暖差で風邪をひかない様に皆さんもお気を付け下さい!服装は前開きですぐ脱ぎ着出来るものがおすすめです。
今週末日曜日2/24は体験セミナー開催です もうあまり時間がありませんが、興味のある方は若干数空いていますので、東京校にお電話でのお問い合わせお願い致します
合わせて4月からの入学者募集が開始します!申し込みをお考えの方はお早目にお越しください!席が埋まってしまっている事もあるので、まずはお電話お願い致します
さてさて、、忘れたころにやってきた、ゾゾのスーツ。巷での評価が色々あり、着心地が云々など言われております。
さあどうでしょうか?検証してみたいと思います。
まずは全体の着画を
シャツです。
後輩くんの体型が極端に右肩下がりでちょっと分かりにくいですが・・
衿ぐりはかなり大きいように感じます。指2本くらい入ってしまっています。もし次回購入するとしたら、サイズ調整で小さい状態で購入すればよいでしょう。
後ろはツキジワ(首の後ろのシワ)がちょっと気になるところ。ここは着ている内に少し馴染む可能性はあるかなと思います。
袖丈はかなり長いです 結構短くしないといけませんが寸法指示が出来るみたいなので、どうにかなりそうです。
因みにサイズ調整出来る所は、
首回り、肩幅、胸囲、袖丈、着丈、手首 が調整出来るようです。
フィット感に関しては袖丈を大きくはずしています。2回目購入することを考えるといいのですが、1回では難しいんでしょうか・・
とりあえず他のものも。
パンツです。
バックのシワが多い感じです。
ヒップは足りずでポケットが開いているのと、あと前の股グリに引っ張られている感じですね。ふくらはぎにあたり過ぎているのが気になります。
パンツの調整は
ウエスト、ヒップ、丈、裾幅 が変更可能なようです。
ヒップを足せばある程度改善されそうですが、穿いていくうちに伸びるのでその辺りは好みによるでしょうか。
最後にジャケット
ジャケットは袖がちょっと・・・
引っ張られてます 袖が振りすぎて後ろに結構シワが溜まっています。
前のVゾーンがカーブしてしまっているので、少し開いてしまっています。
こっち側に引っ張りたくなる感じですね。袖がちょっと薄い気がします。
ジャケットは
胸囲、肩幅、袖丈(左右)、着丈、胴回り で調整可能。
胸囲などを変えてもいいんでしょうが、余りそうなのでこれはもうちょっとパターンの種類を増やすか何かした方がいいんじゃないかなと思います。技術力的にかなり難しそうですが・・
総評としては・・・「それでもよく出来ている」と思います。
理由はこの金額で、ゾゾスーツで計測し人のアドバイスもなく1回目だからです。正直もっとおかしな感じのサイズで来ると思っていました。
かなりの可能性を感じます。5年10年続ければもっと精度があがり、技術革新出来るんじゃないかなと思います(もちろんこの後のデータの使い方によると思います。)
ここからサイズを自分の好みに合わせれば、ある程度のフィット感は得られると思いますが、1回目は正直そこまで合わないものになりそう・・
ただ、適切な寸法感や、どこがおかしいのかを判断できる目がなければこのままで良しと思ってしまいそうで怖いですね・・・
できれば、サービスでアドバイザー的な人がいた方がいいんじゃないかなあと思います・・・でもそれって店で買うのと変わらないんじゃあ・・・うーんメリットデメリットどちらもありますが、それでも新しい事には変わらないのでこれを5年10年続けて欲しいです。いろんな差別化が出来そうです。
次回はもう少し突っ込んで調べてみて、パターンと縫製がどうか確認していきます!
お楽しみに
部分縫い(簡易版コンシールファスナー付け)
寒かったり暖かかったり結構無茶苦茶な天候ですね
24日の体験セミナーは晴れてくれると嬉しいんですが・・・
現在まだ募集中ですが、そろそろ埋りそうですので、体験セミナーをお考えの方はお早目にお電話をお願い致します
東京校03-5473-1519
さて、スーツのレポートに行く前にちょっと間に簡単なものを
コンシールファスナー簡易版です。
たまたまレディースの結構値段のするワンピースをみたところ変わった付け方で簡単そうだったので試してみました。
パターンは↑こんな感じで注目するところは「裏地がコの字縫いではない」です。
裏の出来上がりをナナメにして明き止まり下の縫代は1cmです。
ファスナーを0.5cmで縫います。
通常裏地はファスナーを付けるときコの字に縫いますが、これが切り込み入れたり、ちょっと噛んじゃったりで難しい・・・
強引さはありますが、この仕様はやり易そうで切り込みがはいらないので良さそうです。なんだそんな事・・・と思うかもしれませんが、意外にこのアイデア出ないです
という事でちょっと試しにやっている事に
ここがカックンになっているのでシワができやすいです・・・
まあとりあえず・・・
裏地です。
表は普通に1cmの縫い代を付けるだけです。
表を1cmで中縫いして割った状態です。まあ普通です。
ファスナー下を1cmで中縫いします。表より明き止まりを2cm下げています。
この白く塗った所にキセが入ります。このおかげで縫いやすく、ファスナーに噛みにくくなります。
人によりますが私はファスナーのムシはアイロンで立たせておく派です ギリギリまで縫いたいので。
で裏の裁ち端と合わせて0.5cmで地縫いします。これは裁ち端合わせて縫えるのとコの字で縫わなくて済むので本当にラクですね。
裏を表からみるとこんな感じでV上になっています。明き止まり辺りにはキセがはいっています。
あとは通常つけるようなやり方で大丈夫です。
明き止まりが2cm下がっていることとキセが入っているおかげでそこまで裏を噛みません
ですが、薄い生地や噛みやすい生地の場合は不可でしょう。
実際やってみて思ったのは
①裏地を強引に曲げるので細かいシワが出る(裏地がコットンやウール系の融通の利く生地なら気にならないかも)
➁下の縫い目が割りなのでにキセを入れる事が出来ない(タイトなものには向かないです)
です。結構あるな・・・キレイさを求めるならちょっとどうかなと思います。
かなり条件が合えばやってもいい仕様かなという事でした
シンプルなことですが、このアイデアはなかなか出ないアイデアです。海外のブランドにこのような工夫されている仕様が多い気がします。
多分工場さんがやってるんでしょうが。
使い方によっては誰でも縫いやすいやり方かもしれません。ただ、この仕様にする事でデメリットもあるので、やってみる場合はそのあたりを考えながら挑戦してみて下さいね
ではまた次回!