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東京のアトリエ講師のこだわりや、物作りの様子をお知らせします。ファッションの情報やイベント告知も行います。
2011年4月までの旧パタンナーズライフは*こちら*
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スウェーデン軍50sジャケット➂ – パタンナーズライフ
パタンナーズライフ
スウェーデン軍50sジャケット➂
梅雨入りしたはずがあんまり雨が降らなくて、快適ではあります
ただ降らなかったら降らなかったでせっかく用意してた雨用品の出番がないというへんな悩み。水不足になっても困りますしね
緊急事態宣言も解除されてから見学者の方が少しづつ増えてきています。
ホームページやこちらのブログ、動画でももちろん雰囲気は伝わるかと思いますが、実際に来て頂いて質問、授業の仕方を見てもらうのが一番いいかなと思います。
気になった方はお気軽にお電話して頂いて空いた時間に見学是非どうぞ
↓ちょっとでも雰囲気が伝わるかなと思いますので是非見て下さい
部分縫いの裏地無しベンツの袋縫いです。
こちらのブログでも一度紹介していますが、簡単で綺麗な仕様です。
専門学校などではあまり教えてくれないような事で、実際の既製品で工夫されているなと思うものを研究、紹介しています。
パターンや縫製手順を説明したりちょっとした意味も伝えるように工夫してますので是非見てみて下さいね
ではでは前回のジャケットの最後です。
パターンを
全体のサイズ感は変更せずに体型のクセを加えて、全体的に少しカーブを押さえる。
という事をしてみました。ちなみに生地はツイルのコットンで、少し加工がしてて柔らかめになっています。元のサンプルに近いです。
結果はコチラ↓
うん結構うまくいきました。
袖の後ろはスッキリ。あまりひねりすぎていない、今売られている感じの袖に近くなりました。
前回失敗した内袖のねじれも、パターンと地の目を修正する事で横に入ったシワは消えてすっきりしています。ああ良かった
身頃側まで影響していた多すぎる袖の運動量を身頃にもってくる事も出来ました。
後ろ袖のぼこっと飛び出ている感じも少なくすることが出来ています。
後ろ身頃の逆三角形すぎる形もすっきりしました。(まあこれは生地が柔らかい事もありますが)
パターンはコチラ↓
点線が以前のデニムのものです。
①前のカーブがきつかったのでゆるく
➁前の衿ぐりが浮きすぎていたので少なくして前下がりをつけて
➂ウエスト絞りを少なく
④鎌底を下げて中にシャツなど着用できるように
⑤後ろ身頃アームホールを浅くして運動量確保
⑥後ろ肩イセ量多くして肩先後ろのアームの余りをフィットさせる
⑦袖は少し細く
大枠は上記のような修正をしました。
あまりバランスは変更したくなかったのですが、標準体型から私の体型に変化させると結構な修正になりました
袖はすっきりさせて身頃で運動量確保も結構バランスが難しかったです。
やってみて分かりましたが、昔の服(ヨーロッパの50sくらい)は袖側で運動量を異常にとるようです。どの服をみてもものすごく後ろが余っているのがほとんどです。
見た目の綺麗さよりも機能面を重視していたのかもしれません。(今の感覚とは美的感覚は違うと思うのでなんとも言えないですが)
あとはアームホールの傾斜がきついおかげで袖山があまり高くなくても袖側にシワが出にくいのはメリットかなと思いました。袖山のイセを入れるところがバイアスになっているのでイセは入れやすいですしね。
↓前回デニムで作製したものです。
全体的に少し丸い印象で身頃も絞っている感じはおさえています。
生地が柔らかいのもありますが、かなりイメージ違いますね。
衿はボタンをとめるとこんな感じです。後ろに若干ツキジワが出ていますがちょっと姿勢を変えると消えました。そこまで問題ないかなと思います。喉辺りの苦しさと浮きすぎている感じは修正出来ています。
実際衿を立てると消えました。
アームは若干の落ちシワが出ていますが、裏無しで見返しも何もないのでお許しを
アームに伸び止めの5mm幅くらいの綿テープとか付けてたほうがよかったかもです。
肩回りはシワ無くスッキリしています。全体に乗っかる感じがするので自分の体型に合ったものが出来たかなと思います。
袖はねじれが無くなり、スッキリしました。袖後ろの不必要な運動量は削り、身頃側でゆとりを入れています。
前端のラウンドはかなり抑えたのでそこまで泳いでいません。カジュアルだったらそこまで気にならないかなと思います。
因みにアームホールの傾斜はある程度生かしたかったので、広すぎた前天幅はダーツを取って処理しました。昔のパターン本やフランスの古着なんかでよくみられるやり方です。量が多いとダーツ先が飛び出て見えるし、内側過ぎると衿が返った時に見えるので、この辺りにちょっとだけとってみました。
縫製の仕様は昔何かでみたやり方で(どこかのハイブランドだったと思います)裏袖をアームホール縫代で中縫いにしました。
結構難易度高いです
「アームホール半分くらい地縫いしてから、袖口からアームホール引き出してきて残り半分を縫う」というかなり強引なやり方です。袖口が大きいメンズならではのやり方かなと思います。
ちなみにホールは練習中の手縫いです まだまだ練習が必要ですね
今の服とパターンが全然違うのでやはり新鮮です!
やってみて分かる事や、今の服のパターンがなぜその形になったのかを考えるいい機会でした。どちらがいい悪いというよりこのパターンの引き方を考える事がいろんな理解に繋がると信じて他にまた何か面白いものがあれば紹介したいと思います!
ではまた次回!!