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東京のアトリエ講師のこだわりや、物作りの様子をお知らせします。ファッションの情報やイベント告知も行います。
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落としミシン比翼(キセ入り) – パタンナーズライフ
パタンナーズライフ
落としミシン比翼(キセ入り)
やっと寒くなりましたね・・
こんなに暑さが続いたのは記憶にないです・・・
半袖でいい11月とか・・アパレルの売り上げが気になりますね・・
さて10月から1月経ちまして皆さん少し慣れてきたようです。早い方は原型作りが終わり、フレアスカートに入ったりしていますが、「線は丁寧に」引きましょう
本校では手引きでパターンを引いてもらっていますが、大事な事は「手が線を覚える」事だと思います。
専門学校を出て、会社に入るとすぐにCADで引いてしまう事が多いようですが、最初1,2年は手引きの方が良いんじゃないかな?と個人的には思っています。
感覚の問題というよりは、「ラインの質」はとても大事で、それは手で引いてしまった方が覚えが早いと思っています。
本校はプロの方も多く通われています。専門学校を出てすぐ会社で働いてみたものの、「有り型」の修正をするだけで基本が全く分からず困っている。という方が多いです。
確かに色んな会社があって、色んな引き方があると思いますが、「原理」というものは存在します。デザインやシルエットなどには正解は無いでしょうが、「そのデザインにしたいならこういう修正をしなければならない」はあると思います。
1つの会社だけでは「色んな引き方」に触れる事も少なく、「原理」を知るタイミングも無いかなと思いますので、悩んでいる方がいれば強く本校をオススメします。
是非見学だけでもいらして下さい。お悩みを解決できると思います
という事で「原理」です↓
またまた無料なの?という内容です!
バスト寸法が小さく、肩幅が大きい(ドロップしている)デザインのものだと悩ましいAHのお話も入っています
学校のセオリーなどでは、「前後SPの2点間の半分の位置からAHの高さを割り出して・・・」というような考え方でパターンを引いている事が多いようですが、この例では、その考え方だと全く狙った袖になりません。
是非一度見て頂きたい内容です。「一定の引き方のルール」だけでは色んなデザインに対応出来ない事が分かるかなと思います
では今回はかなりマニアック路線で・・・
「落としミシンの比翼前立て(キセ入り)」です。
まあマニアック・・・一部のデザイナーにしか喜ばれない仕様です
↑こんな感じの仕様です。
そうですね、表からステッチが全く見えない仕様となっております。
ステッチがないのでドレスっぽいアイテムに良いんじゃないでしょうか。
ポイントは裏側にステッチが2本見えている所と表の落としミシンが隠れている所です。
↑パターンはこんな感じで、断面図も用意しました。
ちょっと見ても分かり難いですね 早速縫っちゃいましょう!
裁断した状態です。一応分かり易いかなと思ってチャコで線を引いています。
あと表地には芯を貼っています(これは本番では貼らない方がいいと思います。今回は裏と視認しやすいよう貼っています。)
身頃は普通に0.5cst三つ折りです。
と、ここで早速問題が・・
↑赤の丸の部分の縫代が折ってみると生地の厚みで5mmになってしまいました・・
急遽赤の丸部分の縫代を15mmに変更して裁断し直しです。
生地が厚い場合は何度も折るので厚みで「持っていかれ」ます。そこは生地と相談して縫代を調整して下さい。
↑実際折ってみた状態です。
折り方はパターンに山と谷と記載していますので参考にして下さい
身頃は裾にステッチをかけておきます。
身頃と中縫いします。この時キセが2mm入っている状態です。10mmで縫いましょう。
ここが1つポイント。比翼布が開くのを抑えるステッチを入れて・・
↑の写真のように見返しの裏側から比翼布表裏を抑えるステッチを入れておきましょう。
このステッチが入らず表からのステッチだけだと比翼布が出てきてしまう可能性があります。
↑反対側から見た状態と表から見た状態です。縫代は開いておくのがポイントです。(あとでこの縫い代で角の縫代を包む事ができます。)
↑今度は下端を地縫いします。写真のように折って、片側の縫代は縫わない状態にしましょう。
ひっくり返して、この時に先程の縫代で包むと綺麗な角が出来上がり、縫代の飛び出しがありません。
↑最後に表から落としミシンを入れ完成です。
この時キセが入っているので隠れて見えなくなるという仕様です
ただ、キセをよけて縫う際に若干横に生地がズレるのでやり難さを感じました。
生地が柔らかく「沈む」生地であれば、キセを入れなくても見えにくいかと思います。
あとは1mmでもいいかもしれません。
裏からみるとこんな感じで下端も綺麗に収まっています。
こんな感じで「使うタイミング」が分からないような仕様ですが、知っておくと、「あ、こんな仕様あったな」となると思いますので、是非「ステッチ表から見せたくないデザイナーっさん」とのお仕事の際はお使い下さい
ではまた次回!!!