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東京のアトリエ講師のこだわりや、物作りの様子をお知らせします。ファッションの情報やイベント告知も行います。
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ZOZOジャケット② – パタンナーズライフ
パタンナーズライフ
ZOZOジャケット②
GWですね!皆さん如何お過ごしでしょうか?
学校は明日4/28~5/6までお休みさせて頂きます。お問合せ、見学は5/7~になりますのでご注意下さい。
早速初日から寒い+雨と何とも言えないスタートになりましたが、後半は晴れそうですね。気温はちょっとおかしいので、ちょっと羽織れるものを着て外出したほうが良さそうです。(私は今日フリース着ました 流石にこんな時期に着るのは初めてですね)
GWはどこもかしこも人が多いので、家に籠って服作りましょう
さあ、最後になりました、ZOZOのジャケットです。
・・・ばらしてどうなっているか確認しました
まず仕様ですが、裏は背抜きの仕様です。
このあたりの表の見た目はそこまで特筆するような事はなさそうでした。
他の量販のスーツブランドでも見られる仕様です。
さて実際中身はどうなっているか見てみました。
前回の環縫いは生地が柔らかいので吊りジワを減らす為に、一緒に伸びる縫製方法を選んだのかなと思います。
「ハンガーにかけていたら勝手に綺麗になる」はこれのせいですね。
中身も見てみましょう
まず裄綿です 。
手前が前側でしたが、前に毛芯が2枚で後ろ側だけにフェルト入ってました。メンズなので前のほうが大きいですね。フェルトも2種類使用して肩先にのみ硬さを出すなどかなり工夫が見られます。
肩パットは3枚と非常に薄く肩先にだけさらに芯が足されていました。パット自体にクセはほぼ付いておらず、比較的フラットでした。
前身頃です。
ダーツが1本で、鎌底あたりまで芯が貼ってあります。
芯はかなり粗目のコートなどでよく見る芯でした。
生地が柔らかいのでアタリが出ないようにしているようですね。
?まったくわかりませんでしたが、間違えて貼っちゃったのかな?
ポケットの裏は縫い代を割って、厚みを分散していました。
正直これは知りませんでした 。テープも縫っていてどうやら形を作っているようです。
前端はうまく捌かれていて芯もずらして貼っているので、厚みの段差はほとんど感じません。伸び止めは出来上がり手前に貼って表のAMF(ハンド風のミシンのステッチです)で固定していました。このあたりは量産のスーツブランドと同じ感じです。
前の胸増し芯です。結構枚数多いですね
芯の膨らみはさほど感じられず、そこまで立体的ではありませんでした。
衿折れ手前をかなりガチガチにしたかったように思います。
肩の切り込みは切り込んでから接着芯で貼っているだけで結構簡易な感じでした。
毛芯をベロンとめくると・・AH部分は伸び止めではなくて、テープを縫い代にたたいていました。これもメンズっぽい仕様で本格的です。
肩先にも割り布を入れて、補強や、肩先の形に対する拘りを感じます。
衿の芯とカラークロスを止めるのステッチはすごい少なかったです。少な過ぎない?
衿折れにテープ入れてステッチ入っていました。カラークロスならではの仕様ですね。
表衿は衿先だけ芯を貼って、衿の曲がるサイドネックあたりから後ろは芯無しでした 。衿が曲がった時柔らかく曲がるようにしたかったのかな?
厚み軽減か、台衿側に芯を全く貼っていなかったのは珍しいなと思いました。幅が狭く縫い代が芯替わりになっていました。形はちょっとくずれそうな気がします。
カラークロス、衿芯の外回りはかなり浮いていました。衿芯の地の目を見ると、襟ぐり付け側が相当伸ばされていました。表衿になじませた結果ですね。
前見返しにも工夫が見られます。わざと全面芯ではなく、少しずらして貼る事で柔らかくロールさせたかったのかなあと思います。
それ以外にもほんとに沢山工夫が見られました。・・・生地代と工賃いくらなんだろう・・・聞くのが怖い・・これで4万円切るんですね
多分、以前からスーツ専門でやっていた工場に頼んで作ったのではと思われます。
自社工場で1からだと最初からここまで完成度の高いものは出来ないんじゃないかと・・自社工場とかになったらもっと安くなるんですかね?
今回は一般的な体型のジャケットでしたが、すごい大きいサイズとかのも見てみたい
仕様的にも変わるのかな?どこかダーツをとったり?前身頃1枚だけでは肥満体などの体型に対応でき無さそうですが、どうなんでしょう?このまま2つボタンだけで進むとも思えないので、新しいスーツが出たらチェックしてみたいですね
最後に・・・
まとめると単純に「すごい 」と思います
・・があえていえば、パターン力アップの必要性を感じました。データ上の寸法だけでは、無理が生じやすいなと。
現状、特殊体型の人に対してはそこまで対応していないようですが、今後データが蓄積されフィードバックされれば、ぴったり合った服作りが出来るようになるかもしれません。
計測の方法の精度、計測されたデータをどうパターン上に反映していくか。是非とも続けて、「既製品の先」を目指して欲しいなとおもいました。今後が楽しみです。
以上レポートでした
ではまた!!